30分でできる OpenBSD 日本語デスクトップ環境

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この記事は古く、 OpenBSD 6.0 で Xfce4 日本語デスクトップ環境の構築 のほうが新しいので、おすすめです!

はじめに

デスクトップ環境として OpenBSD を用いることは、実はとても簡単です。こ のページでは、OpenBSD のインストールの後、日本語が表示入力できる Web ブラウザが使えるようになるまでの、パッケージのインストールや設定方法を 説明します。

OpenBSD のインストールは、次のようにインストールしておいてください。

また、この文書は、OpenBSD 4.9 を前提にしていますので 4.9 以降の最新リ リース版をインストールしてください。OpenBSD のリリース版は安定している ので常に最新リリースを使うのが吉です。OpenBSD のインストールが完了して 起動すると、次の画面のような xdm によるログイン画面が表示されます。

images/openbsd-desktop-screen1.jpg

パッケージ関連の環境の整備

この後、パッケージを使って、各種プログラムをインストールしていきますが、 その前に、パッケージシステム自体の環境を整備します。

xdm によるログイン画面からログインすると、デフォルトの Window マネージャ である「fvwm」と「xterm」が起動します。この、起動した xterm を使い、パッ ケージ関連の環境の整備をしていきます。

images/openbsd-desktop-screen2.jpg

この後の作業が簡単になるよう、パッケージを取得する「配布元サーバ」と、 「取得したパッケージの置き場」を環境変数として設定しておくことにします。

環境変数 設定例
PKG_PATH ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/OpenBSD/4.9/packages/i386/
PKG_CACHE $HOME/Downloads/OpenBSD/4.9-i386-packages/

次の実行例では、テキストエディタで pkg_env.sh というスクリプトを作成し、 環境変数を設定し、パッケージ置き場のディレクトリを作成しています。 (この環境変数は、シェルの初期設定ファイル .profile .bashrc または .cshrc などに設定してしまっても構いません)

$ mg pkg_env.sh
$ cat pkg_env.sh
export PKG_PATH="ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/OpenBSD/4.9/packages/i386"
export PKG_CACHE="$HOME/Downloads/OpenBSD/4.9-i386-packages/"
$
$ . pkg_env.sh
$
$ mkdir -p "$PKG_CACHE"

fluxbox のインストール

Window マネージャは GNOME(Metacity) や KDE などが、よく使われています が、ここではシンプルな fluxbox をインストールしてみます。インストール は、以下の実行例のように、pkg_add コマンドにパッケージ名を指定するだけ です。

$ . pkg_env.sh
$ su -m
Password:
# pkg_add fluxbox
(省略)
fluxbox-0.9.15.1p3: ok
# exit
$

すこし余談ですが、IPv4 の NAT またはファイアウォールの中から使っている 場合、この pkg_add の後に固まる (反応がなくなる) 場合があります。その 場合は、次のように ~/.netrc を設定するとこの問題を回避できます。

$ mg ~/.netrc
$ chmod 600 ~/.netrc
$ cat ~/.netrc
default
    macdef init
    epsv4 off

$                           (最後の空行は重要です)

pkg_add コマンドが完了すれば、インストールは完了です。.xsession に登録 し、Window マネージャを fluxbox に切り替え、ログインしなおします。

.xsession に fluxbox を足します。

$ echo fluxbox > .xsession

現在利用している fvwm を終了してログインしなおします。 fvwm を終了するには、マウスを用いて「Exit」するか "pkill fvwm" を実行 します。再ログインすると fluxbox が起動します。

images/openbsd-desktop-screen3.jpg

fluxbox は、使用する色などを好みに変更できます。右クリックして fluxbox menu -> System Styles で、「Cthulhain」にすると、

images/openbsd-desktop-screen4.jpg

こうなります。

日本語入力や日本語フォントの準備

日本語入力として anthy と uim をインストールします。右クリックして xterm を起動して、次のように anthy、uim、uim-gtk、unzip をインストール します。

$ . pkg_env.sh
$ su -m
Password:
# pkg_add anthy uim uim-gtk unzip
(省略)
# exit
$

続いて、日本語のスケーラブルフォントとして「IPA フォント」をインストー ルします。「IPAフォント」は、

http://ossipedia.ipa.go.jp/ipafont/index.html

から入手可能です。使用許諾に同意する必要がありますので、同意の上、「4 書体パック」をダウンロードし、「4 書体パック」のフォントを ~/.fonts に 配置します。

$ unzip -x ~/Downloads/IPAfont00302.zip
Archive:  /home/yasuoka/Downloads/IPAfont00302.zip
  inflating: IPAfont00302/IPA_Font_License_Agreement_v1.0.txt
  inflating: IPAfont00302/ipag.ttf
  inflating: IPAfont00302/ipagp.ttf
  inflating: IPAfont00302/ipam.ttf
  inflating: IPAfont00302/ipamp.ttf
  inflating: IPAfont00302/Readme_IPAfont00302.txt
$ mkdir ~/.fonts
$ mv IPAfont00302/* ~/.fonts/
$ (cd ~/.fonts; mkfontdir; mkfontscale)
$ rm -rf IPAfont00302              (後片付け)
$

日本語入力と、追加した IPA フォントを有効にするために、.xsession を編 集します。

$ mg .xsession
$ cat .xsession
export XMODIFIERS=@im=uim
export GTK_IM_MODULE="uim"
xset +fp $HOME/.fonts
uim-xim &
LANG=ja_JP.UTF-8 uim-toolbar-gtk &
fluxbox
$

Chromium (Chrome) のインストール

つづいて、Web ブラウザとして Chromium (Chrome) をインストールします。 Chomium もパッケージからインストールできます。

$ . pkg_env.sh
$ su -m
Password:
# pkg_add chromium

chromium が必要とするパッケージは少し多いので、実行には少し時間がかか ります。また、手作業を要求するメッセージが表示されます。必要な手作業を まとめると、

  1. sysctl kern.shminfo.shmall を増やす
  2. リソースリミットの datasize を増やす
  3. python2.6 を python にリンク

となります。

まず 2. のリソースリミットですが、OpenBSD のインストーラで作成したユー ザのアカウントは、ログインクラスが "staff" になっているため、datasize は無制限にすることができるので、設定は必要ありません。"staff" になって いない場合には、ログインクラスを usermod で変更するのが良いでしょう。

1. と 3. は以下のように実行します。

# ln -sf /usr/local/bin/python2.6 /usr/local/bin/python
# ln -sf /usr/local/bin/python2.6-config /usr/local/bin/python-config
# ln -sf /usr/local/bin/pydoc2.6  /usr/local/bin/pydoc
# echo "kern.shminfo.shmall=32768" >> /etc/sysctl.conf

sysctl の反映もあるため、一旦 OS を再起動します。

# shutdown -r now

再起動後、ログインして chrome を起動します。

リソースリミットを外して chrome を起動します。

$ ulimit -n $(ulimit -H -n)
$ ulimit -d $(ulimit -H -d)
$ LANG=ja_JP.UTF-8 chrome
(これは、面倒なのでスクリプトにしとくと良いでしょう)
images/openbsd-desktop-screen5.jpg

日本語のページが表示されます。anthy による入力もバッチリです。

Flash コンテンツの再生

さらに YouTube などを楽しむには、Flash を再生する必要がありますが、残 念ながら Adobe Flash Player は OpenBSD で動かすことができません。代わ りに GNU の Flash Player である gnash を動作させることができます。 gnash もパッケージからインストールすることができます。

$ . pkg_env.sh
$ su -m
Password:
# pkg_add gnash
# ln -s /usr/local/lib/mozilla/plugins /usr/local/chrome/
(最後の ln コマンドによるリンクは、将来は不要になるかもしれません)
# exit
$

chrome を再起動すると、Flash が使えるようになります。

images/openbsd-desktop-screen6.jpg

その他

ここまで OpenBSD での日本語環境は、意外と簡単であることを示すために説 明してきました。この他の日本語化対応のソフトウェアのほとんどは、 OpenBSD でも問題なく動作するはずです。実際に私が使っていて問題のないも のは、

プログラム パッケージ名
端末 uxterm (標準でインストールされる)
PDFの表示 epdfview, poppler, poppler-data
エディタ emacs 23.3.1 + emacs-anthy

です。Linux などと比較した場合、OpenBSD で特別に注意すべき点は次の 2つ です。

  1. ロケールのサポートが限定的で、charset は UTF-8 しか使えませんので、 LANG=ja_JP.UTF-8 で使う必要がある
  2. UNICODE のサポートが始まったばかりで、まだバグが残っている

2. で実用上、私が困ったのは以下の 2 つでしたが -current で、次の バージョン 5.0 では、解決する見込みです。

この文章に誤りなどがある場合には yasuoka at yasuoka.net まで、ご連絡いただけるとたすかります。

このページは、短縮 URL http://bit.ly/obsd_ja でアクセスできます。

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